今回のCMは、年末のクラシックを前に最終ステップCMとなった。木陰でゆっくりとリラックスする邦衛。大舞台を前に落ち着き放っている。途中にリスが登場し、さらにCMはゆったりとしたペースで流れる。秋口の枯れた黄色の芝生が、季節感を感じさせる。さあ年末へ。見る者の期待感がさらに高まった。
ステップレースというよりも、他のCMと邦衛漢方CMの実力差から言えば最終追い切りといったニュアンスが強いですね。展開はハンモックにゆられる+リスの登場などからも伺えるように終始スローなんですが、CM運びが危なげないんですよね。終始落ち着いているというか。まだ開始してから数戦しか消化してないというのに、もう古馬並に構成がどっしりと確立されていますよね。若いCMだとCM中に寄れたり、無理に個性を出そうとしてぎこちない走りになったりするんですが、それが無いですからね。これは10年に一度出るか出ないかのCMになりそうですね。年末の大一番へいい形でつなげるCMにできたと思いますよ。もう、◎は邦衛漢方CMで決まりという感じですね。
吉田均(よし たひと)
東京都出身。CM批評創刊と同時にスタッフに加わり、足かけ11年にわたって「本紙CM予想」を担当。大胆なCMオチ予想から「攻めの吉」の異名をとる。
次回は、「その瞬間、日本国民は感謝した」
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