年明け2戦目となった今回のCM。前回の海辺でのCM同様、単走での出走となった。夏場の岩の上で蝉の声を聞く邦衛。「岩にしみいる蝉の…」と松尾芭蕉の俳句を引用している。年末につながるたたき台だろう。そう思って見ていたら驚かされた。なんと邦衛はCM中にナンバー1宣言。怪物が怪物を自覚した!
がんがんに鳴り響く蝉の声。岩に座る邦衛。いつにもまして遅い流れの展開でCMは進んでいく。こういう流れになると見る人にとっては間延びして、展開次第ではチャンネル替えの不利を受けかねない。年末のドHペースを経験してきた邦衛にとってここまでのスローはおそらく初めてだった。どうやって邦衛は自分の存在感をアピールし、なおかつ漢方の商品価値を高めるのか? 淡々と続くスローペース。するとどうだろう。なんと驚いたことに邦衛は手をクルクルと回して耳元にもっていったのだ。これにはビックリさせられた。蝉の声を聞くと同時に、「ナンバー1は誰ですか?」と視聴者に聞いているのだ。邦衛はここでも存在感を十分に示した。
柏木集 保(かしわぎあ たもつ)
日刊CM新聞社に入社。長年にわたり本紙CM予想を担当。血統、走破タイムなどから多角的にCMオチを推理、寸評し独自の予想スタイルを貫いている。
次回は、「伝説のCMを語る序章」
ひとりひとりにやさしい 田中邦衛研究所The Kuniken Contents, since 2002-2008