社員と一緒に登場する邦衛。昼飯に誘うが「胃が…」と社員。それなら…と大正漢方胃腸薬を取り出す。食べ放題の店ですっかり回復する社員。最後は4人で「ヨシ!」の声。途中、社員の動きにアオられる場面も。数年前、大岩を前にしたあの堂々たる雰囲気とは違ったCMになっている。
絶対無敵と思われていた王者が、新たに台頭した世代によって沈められる。強さを見てきた者にとっては、ひどく淋しい出来事ではあるがいつだって世代交代とはそういうものだ。時代のサイクルも早くなっているのだろう。かつては邦衛単走一本で調整し、見る側は年末に向けてゆっくりと期待感を高めていけばよかった。いま時代はドンドン進んでいく。見る側の我々も時代に合わせて思い出を総括していくべきなのだろう。私は邦衛漢方CMのファンだ。かつて邦衛の堂々たるたくましさが漢方CMをひっぱってきた時代。毎回のようにCMに魅せられてきた者にとって、わんぱくに動く邦衛をどうしても期待してしまう。あの邦衛の力強い動きをもう一度だけ見たいと思うのは私だけではないはずだ。
柏木集 保(かしわぎあ たもつ)
日刊CM新聞社に入社。長年にわたり本紙CM予想を担当。血統、走破タイムなどから多角的にCMオチを推理、寸評し独自の予想スタイルを貫いている。
次回は、「注目の最終追い切り!」
ひとりひとりにやさしい 田中邦衛研究所The Kuniken Contents, since 2002-2008