村山首相退陣(1月5日)・岡本太郎死亡(1月7日)・橋本内閣発足(1月7日)・横山やすし死亡(1月21日)・北海道豊浜トンネルで岩盤崩落、バス下敷き(2月10日)・ポケベル中傷で兵庫県立高校生が同級生を殺害(2月12日)・羽生善治が史上初七冠達成(2月14日)・菅直人厚相謝罪、薬害エイズ事件(2月16日)・木津信用組合を背任で捜査(3月13日)・薬害エイズ裁判でミドリ十字が責任認める(3月16日)・オウム事件、TBSがビデオテープ問題で自供(3月25日)
その名を中山金杯と記して始まる1996年。
笑顔いっぱいのうれしさと出会えることを願いたい。
新春に語る、ひとりひとりの想いに栄光あれ。
五冠馬のメモリアルは、4歳の栄光へ向かう成人式。
晴れやかに門出を祝おう、君の勝利に春は実感される。
勝負の厳しさを知り尽くした、歴戦の勇者たちが始動する。
それぞれの戦績には、風格さえ漂い、威厳さえ輝いている。
より大きな栄光へ、さらなる実力を証明し、時代を先導するがいい。
やがて訪れる桜吹雪の季節に、誰よりも輝いている自分を夢見て、
可憐なつぼみに彩る春の恋。クイーンで始まる明け4歳の晴舞台。
類い稀なる速さに磨きをかけて、名マイラーへの道を極めていく。
その迅速思考を記したスピード・ストーリーの巻頭が飾られる。
早春の府中に刻む物語に、新たな1ページが生まれる。
栄光の舞台の感触を確かめるように、4歳優駿が風を駆る。
新世代を担い、感触の物語を築きあげるがいい。
自信に満ちた決意は、遥かなる英雄へと届くことだろう。
伝統ある一戦に、歴戦の古馬たちが実力をぶつけ合う。
長い道のりに勇ましく響く蹄音に、いにしえの物語が紐解かれる。
96年の中山の幕開けに、いち早く春を告げる印象派がいる。
個性あふれる淑女の物語は、輝かしい喝采の瞬間へと続いていく。
憧れるべき歴代の王者たちが、若き駿馬に問いかける。
誰にも負けない情熱があるか、誰にも譲れぬ強脚があるか。
有り余る実力を、まさに今、証明してみせるがいい。
厳しい戦いを勝ち抜いてきた実力に奢ることなく、
技を磨き、心を鍛え、より尊い風格を纏うがいい。
春の頂点を睨んだ快走に、より大きな栄光が確かなものになる。
歴史にその名を残し、人々の心の中にこの名を刻みたい。
時代を先導し、新たな道を切り拓くために、春を制する。
与えられた使命への挑戦は、過酷であるほど価値がある。
皐月の冠に、次々に名乗りをあげる若者たち。
その力強い健脚に、未来の期待が高まる。
想像を超える物語は、もう始まっているのかも知れない。
天性の速さを、真の陽のあたる場所へと導くニューロード。
この春、一瞬に魅せる風の申し子たちが栄光の舞台に昇る。
大坪元 雄(おおつぼげん いさお)
煽り解説でおなじみ。煽りニュース・煽りブックを経て、煽り評論家へ。あらゆる文章を、煽りの視点で分析する。「句読点が少し華奢に見える」など鋭いの着眼点は、キャリア40年が成せる業だろう。
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