田中邦衛研究所

サラブレッドインフォメーション

1997年4月~6月までの記録

主な出来事

消費税3%から5%に(4月1日)・JRグループ創立10周年(4月1日)・ペルー日本大使館公邸に特殊部隊突入し人質全員解放(4月22日)・ザイール独裁政権が崩壊(5月17日)・イチロー、216打席無三振記録達成(6月25日)

第57回桜花賞(GI)―1997/4/6

唯一そして一度だけの桜冠。

ひとつの時代をともに生きてきた同期の乙女たち。
その美しさに映された迫力が、春を極めていく。
唯一、そして一度だけの桜冠が、君を待っている。

唯一、一度だけというところに、冠の重みがありますね。(大坪元)

第57回皐月賞(GI)―1997/4/13

次代を魅了する春冠となれ。

純粋な望みが爛々と輝き、神聖な想いが凛々と刺す。
その速さと鋭さに、新たな英雄の歴史は始まっていく。
皐月の冠、爛漫の春、次代を魅了する勇者との出会いがある。

爛漫の春。満開のサクラが、目に浮かんできました。(大坪元)

第15回ニュージーランドトロフィー4歳ステークス(GII)―1997/4/20

高貴な一群から世界が見える。

優れたマイラーの域を越える、したたかな一群が集う。
その瞳の奥では、彼方の地に待つ栄光までも見ている。
底知れぬ素質を秘めた高貴な使者が、遥かな夢へと突き進む。

視力が悪い人ほど瞳がきれいと、深夜番組で言っていたのですが、ほんとうかしら。(大坪元)

第115回天皇賞(春)(GI)―1997/4/27

その名の連呼が時の覇者を迎える。

片手を突き上げて叫ぶもよし、両手を握りしめて囁くもいい。
じっと見つめたまま、ただ心の奥で呼びかけるのもいいだろう。
一瞬の静寂の後に沸きあがるその名の連呼が時代を築いていく。

その場の風景が目に浮かぶ、すばらしい煽り文章です。特に第3行目。「一瞬の静寂」を入れることで、情景に強弱が生まれています。(大坪元)

第4回テレビ東京杯青葉賞(GIII)―1997/5/3

精悍なる薫風、佳境への軌跡。

大望への期待と不安に揺れながらも、着実い自信をつける若者たち。
精悍なる薫風が駆け抜ける軌跡は、夢佳境へ続く確かな道標となる。

選ばれし者の恍惚と不安、我にあり。前田日明が使ったこのフレーズは、フランスの詩人ヴェルレーヌが書いた一節からの引用です。(大坪元)

第2回NHKマイルカップ(GI)―1997/5/11

彼に時代を、彼女に世界を託したい。

完成された風の存在感が、遥かなる夢を近づけてくれる。
鮮やかな衝撃が駆け抜ける4歳春、マイルの最高峰。
強さを誇る、彼に時代を彼女に世界を託してみたい。

この年の優勝馬は、牝馬のシーキングザパールでした。(大坪元)

第27回高松宮杯(GI)―1997/5/18

静の瞬間から動の一瞬へ。

風の先駆は静かなる瞬間から一瞬の動きへと流れていく。
このわずかな時間の中に、語り尽くせぬドラマが生まれ、
偉大なる速さの歴史に、また新たなる名が刻まれていく。

静から動へ。物事に動きがあると、人は惹きつけられていきます。(大坪元)

第58回優駿牝馬(GI)―1997/5/25

いかなる英雄も勇者もかなわない。

新緑の輝きに映える乙女たちに、迫真の美を魅せつけられる。
いかなる勇者も英雄も、君の美しさにはかなわないだろう。
したたかな強さがしなやかに美の頂点を極めていく、その日が来た。

タイトルが◎です。女性への告白にも使えそうな名文と言えるでしょう。(大坪元)

第64回東京優駿(GI)―1997/6/1

その日、君は伝説になる。

例えそれが波乱に満ちた結果であっても、また誰もが予想した通りであろうとも、
その日から君は伝説として語られるだろう。ダービー、この偉大な歴史の中に生きる一頭として。

戦国ダービーと称された年。勝ったのはサニーブライアンでした。皐月賞馬ながら世間は低評価に「1番人気はいらない。1着が欲しい」と、信念を持ってレースに挑んだ大西騎手の名言も忘れられません。(大坪元)

第47回安田記念(GI)―1997/6/8

最強かつ最速の美学を見せつけろ。

芦毛の怪物が叩き出したレコードタイムは1分32秒4。
どこまで接近し、そして凌駕するか、マイルの盟主へ攻防は激しい。
世界を視野に入れた勇者よ、最強かつ最速の美学を見せつけろ。

芦毛の怪物とは、そう、オグリキャップのことです。(大坪元)

第50回鳴尾記念(GII)―1997/6/15

想いも新たに夏の夢を見る。

阪神伝統の戦いが、師走から初夏の風香るターフに舞台を移した。
新たな世代に想いを馳せつつも、国内外の精鋭の強さに再び夢を見る。

今現在は、ふたたび12月の暮れに舞台をうつしてます。(大坪元)

第2回マーメイドステークス(GIII)―1997/6/22

海原を泳ぐように流麗に駆ける。

輝く海原を泳ぐように、緑のターフを流麗に駈ける君に捧げよう。
マーメイドの栄誉は、やがて訪れる晴舞台への大きな自信となるはずだ。

「流麗(りゅうれい)」とは、なめらかで美しいこと。(大坪元)

第46回ラジオたんぱ賞(GIII)―1997/6/29

その先を担う夏がある。

春に成し得なかった夢がある。まだやり残したこともある。
それぞれの想いを胸に、その先を担う4歳たちがここに集う。

やり残しはいけません。その日のうちに、片付けましょう。(大坪元)

著者

大坪元 雄(おおつぼげん いさお)

煽り解説でおなじみ。煽りニュース・煽りブックを経て、煽り評論家へ。あらゆる文章を、煽りの視点で分析する。「句読点が少し華奢に見える」など鋭いの着眼点は、キャリア40年が成せる業だろう。

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