東証12年8ヶ月ぶりに1万3000円割れ(10月5日)・横浜ベイスターズが38年ぶりにリーグ優勝(10月8日)・新党さきがけ解党(10月20日)・オウム幹部岡崎一明に死刑判決(10月23日)・日本石油と三菱石油合併合意(10月28日)・セガ、ドリームキャストCMに湯川専務出演(11月)・日本国土開発、会社更生法適用申請(12月1日)・NPO法施行(12月1日)・ドクターキリコ事件(12月12日)・イラクを米英軍が空爆(12月16日)
大地の風を感じた瞬間から、育ててきた夢がある。
美しさに強さを秘めた輝きが、明日の喝采を呼ぶ。
想いをかなえる4歳秋、君はどんな華となるのだろう。
実力者が名を馳せる府中の秋がやってきた。
誰もが認める真の王者へ、盤石の布石を打つがいい。
君の時代は、勝利の瞬間と共に始まるだろう。
広々とした府中のターフに舞い降りた天使がいる。
鮮やかに風と踊り、艶やかに夢を描く。
その奔放な健脚は秋を彩り、やがて女王へ姿を変える。
狂おしく騒ぐ胸、秋華への思いは熱し、極み、放たれる。
求め続けた情熱のすべてが、この一瞬にぶつかり合う。
喝采の淀、一途に恋した月日は、甘くも切なくもある。
束の間の時の中で、同じ光を追い求める勇姿たち。
勇気を奮い、威信に応え、真実に挑んで行け。
我が身に託し、我が身を超え、英雄となるがいい。
4歳秋、世代の頂点を賭け、菊の冠を奪い合う。
古都、この舞台こそが、強さの真実に迫る価値がある。
大輪を咲かせるがいい、そして未来を担う輝きを放て。
純粋に憧れの舞台に向かう思いは、永遠に変わらぬ恋心。
その気持ちの素直さが、名牝の条件なのかも知れない。
美が成熟する秋、最強の淑女が微笑み、古都が染まる。
誰もが驚嘆する速さか、誰もが納得する強さか。
世界へ続くマイルの王位に、心を高めて行くがいい。
防衛か、奪取か、究極へ自らを研ぎ澄ませ風を斬れ。
強さを証明するものは勝利という栄光、それ以外に何もない。
歴史に蹄跡を記憶させるには、誰よりも僅かでも前に出るしかない。
この国で、この舞台で、君が頂点だという実力を今こそ見せつけろ。
才気に満ちた笑顔に明日の夢を託したい。
凍てつく北風も恋に落ちるその可憐な舞。
これから、どれ程、美しくなるのだろう。
中山の寒風を切り裂く熱気に、輝かしい未来を感じる。
栄光へ続く軌跡の始まりは、次代を担う君の独立記念日だ。
君の速さへの賞賛を言葉にしている暇などなかった。
胸の想いを語る前に勇姿はゴールの彼方を駈けていた。
その衝撃を永遠に刻み込む英雄が、歴史に名を残していく。
時世の憂鬱を吹き飛ばす鮮やかな走りに魅せられたい。
未来の幸福を呼び寄せる華やかな走りに惹かれたい。
1998年、君と歩んだ夢は、この日この時のためにある。
大坪元 雄(おおつぼげん いさお)
煽り解説でおなじみ。煽りニュース・煽りブックを経て、煽り評論家へ。あらゆる文章を、煽りの視点で分析する。「句読点が少し華奢に見える」など鋭いの着眼点は、キャリア40年が成せる業だろう。
next >>1999年1~3月「加速する情熱は止められない」など