キミの主張に称号が与えられる。半世紀を超える持ち込みの道程から、多くの英雄が育っていった。その称号は最強、或いは怪物…。そしてキミは何と呼ばれるのか。自分を思うがままに主張する若者に、明日の夢を見ることになるだろう。−−このコンテンツは、マンガ家を目指すW氏の活動記録である。

sound:Charge!(Karl Jenkins)
 
  スーパーファイトIN持ち込み(WEB版)
シリーズ開幕戦結果速報
 
   
  絶望的な暗さしか、
そこにはなかった。



▲もし馬場が生きていたら、このマンガにどういう評価を下すのであろう。



   W氏の進退を賭けた企画が、今まさに始まった。
 開幕戦。
 週刊少年ジャンプ。
 どうしようもないほど、暗い持ち込みだった。夢も希望も、そして未来もそこには存在しない。ただ絶望的な暗さだけがその場を支配していた。
 よく人から「マンガとは何ですか?」と聞かれることがある。
 その問いにある人が「マンガとは芸術だ!」と語っていたが、こんな陳腐な表現に騙されてはいけない。
 ピカソの絵を見た人がその絵に影響を受け人を殺すか? ゴッホの絵に洗脳され犯罪を犯すとでもいうのか?
 マンガに影響を受け人殺しになることはあっても、その逆はない。
 この日、W氏は自作マンガを集英社に持ち込んだ。
 1階にあるロビーでの対応。
 しばらくして編集者が降りてきた。彼こそが、王道ジャンプを世に送り出している張本人だ。
 しずかに原稿を取る。
 ページをめくるのが早い。
 内容は無視。セリフも文章も読み飛ばす。ただ原稿をペラペラとめくっているだけ。一体、何を見ているというのだ?
 原稿を手元に置いた。
 どんな批評が下されるのだろう。緊張感が高まる。
「キミって、才能ないね」
 この瞬間、闘いは終わった。
 マンガは決して芸術なんかではない。そこにあるのは、商業主義にもとずくシビアな世界だけなのだ。
 もしそれでもマンガは芸術だ、マンガ家に夢があるというなら、その心を教えて欲しい。
 夢も希望も未来も完全否定されたジャンプへの持ち込み。
 残る今後の持ち込み結果を占う上でも、今回の持ち込みは重要な一戦だったと言える。(Y)
   
     
     
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▼時間無制限一本勝負

週刊少年ジャンプ
(5分53秒、TKO)W
 
     
 

ハッキリ言って、ヤング誌でも青年誌でも
このマンガは無理


少年ジャンプ編集部
O氏のコメント


うぅ〜ん、なんと言ったらいいんだろう。キミってまったく才能ないね。普通、こうやって自分でマンガを描いて持ってくる作品には『これはっ』ていうところが一カ所くらいあるんだけど……、この作品にはそれすらない。だから批評のしようがないんだよねぇ。
 しかも、キャラクターにいまいち元気がないでしょ。作者がいまだにしがらみに捕らわれていて、そこから脱しきれていない感じだよなぁ。作品に張りがないし。全体として雰囲気が重いよね。
 今の漫画誌ってね、昔と違ってヤング誌だとか青年誌だとか細分化されてるわけ。それによってマンガの内容が決まってるでしょ。昔だったら同じひとつの誌面で対象年齢ゴチャ混ぜの作品が載せられたんだけど、今はそういったことはできない。だからマンガの描き手も、この内容だったらこの雑誌だとか考えているわけよ。もちろん、それはマンガを持ち込む場合でも同じこと。
 だから、ホントだったらこの作品はウチではないよね

−−青年誌やヤング誌での可能性は、どうなんでしょう?
この内容でこの絵でしょ。まぁ、ハッキリ言ってしまえば、このマンガはどちらでも無理だね。おもしろくないし、見るべきところもないわけだから。
 じゃぁ、聞くけど、このマンガを読んで読者はどう思う? あぁ〜ためになったなぁ〜、とか、自分の気持ちを晴らしてくれたとか。……そんなことは思わないでしょ。例えば、このマンガに出てくるこの青年実業団みたいな主人公が死んだとしても、誰も悲しまないよ。言うならばどうでもいい。
 それより、この作品内容で、なんでウチなんかに持ち込みに来たの?

−−えっと、もちろんマンガ家になりたくて…。
キミいくつ?
−−21歳です(嘘)。
あ、そ。21歳でこの絵ねぇ。遊びじゃないんだからさ。マンガ家としてキミは無理だよ。年齢的にも、もう限界を越えてる。これがまだ10代だというなら、まだ変われる余地はあるんだけど、20歳越えてるんじゃね。
 ま、これがキミの限界だと納得して、マンガ家への道は捨てることだね。まだ今からなら間に合うから就職しなさい

−−いや、もう少しだけ頑張ってみたいと…。
あのねぇ、『ナニワ金融道』の青木雄二は40歳を越えてからデビューしたけど、それは彼がそれまで普通の人にはない経験をしてきたからなんだよ。そんな人生経験、キミにはないでしょ!!
−−……。
もう、これくらいでいいかな。ボクはキミだけを相手にしているわけにはいかない身分だからね

(この間、約5分。一方的に捲し立ててロビーを後にしたO氏。その後、W氏もその場を静かに後にした)

▲若手にかかえられながら帰宅するW。すべての面で受けたダメージは大きい。今後の持ち込みに尾をひきそうだ。

試合後のW氏のコメント
「まさかあそこまで言われるとは思ってなかった。まだはじまったばかりなのに、この(持ち込み)企画をやめたい。今はそんな気持ちでいっぱいです。いくら本命は『ヤンマガ』とはいっても、ちょっと(あそこまで言われては精神的に)キツイものがあります……。今回はこの辺で勘弁してもらえませんか……」
大川ビジョン
「ま、当然の結果といえるでしょうね。三代クロス予想をおかりするならば、結局いまのジャンプは母父に鳥山明が主流。これに割り込むには、少なくともドラゴンボールを全巻500回熟読、あるいはドクタースランプを1000ページ模写。最低限これくらいの努力は必要でしょう」
絶望しかそこには残らなかった。
されど、W氏の持ち込みは続く。
次は週刊少年チャンピオンだ!


(結果は2月4日更新予定です。お楽しみに!)

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